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ご祝儀はいくら? 変わる韓国の結婚式文化 【平井久志?リアルワールド】

2026.04.25 10:42

 韓国で会社の同僚の結婚式に出席し、5万ウォン(約5300円)のご祝儀を出したところ、「披露宴の食事代がいくらだと思っているのだ」と、陰口をたたかれたという体験談がネット上で波紋を広げている。

 会社員向けコミュニティーサイトに「結婚式で5万ウォン出したとうわさを広める同僚、結婚式は商売なのか」という投稿が寄せられた。この会社員は知り合って3年くらいになる会社の同僚の結婚式に出たが、仕事上の付き合いしかないので、悩んだ末に5万ウォン出した。

 ところが、結婚した同僚が昼食の時間に別の社員たちに「結婚式に来たのに5万ウォンしか出さなかった人がいる。披露宴の食事代がいくらだと思っているんだ」と言っているのを聞いたという。

 投稿した会社員は「月給は300万ウォン(約32万円)程度だし、5万ウォンは少なくない金額です」と嘆いた。

 これに対する反応も「結婚式の食事は来てくれた人をもてなすものであり、金額をあれこれ言うべきではない」「最近は物価が高いので出席すれば10万ウォン、出席しなければ5万ウォンが相場」などとさまざまだ。

 韓国の「結婚文化」も、急速に変化している。かつてはホテルでの結婚式は「贅沢」として禁止されていた。韓国の結婚式場での式といえば、時間は1組わずか約20分。新郎・新婦入場や、チュレ(主礼)という結婚式を司る人の挨拶はあるが、式場の出入りは自由で、実に雑然とした雰囲気で進行する。式の後では、式場の食堂で、簡単な肴と焼酎が出るくらいで、食事はカルビタンが主流だった。

 僕が驚いたのは、食事を新郎側、新婦側が別々に行うことだった。これには金銭問題が関係している。ご祝儀は新郎、新婦が別々に受け付け、食事も別々で、新郎、新婦が別々に結婚式の収支計算をしていた。

 これは、結婚式の経費負担を結婚する当人ではなく、両親がする場合が多いからだ。だから、当人たちだけではなく、両親の知人にも招待状が大量に送られ、この人たちのご祝儀があてにされていた。

 しかし、最近は、結婚式で2人のなれそめや、交際の様子などを写真や動画などを使って紹介するなど、式の進行もレベルアップしている。式後の食事も、式場のレストランでバイキング形式で行うところが多くなった。

 韓国の毎日経済新聞の2025年6月の記事によると、韓国消費者院が結婚式場の費用を調査したら、1人当たりの食事代の中間値が5万8千ウォン(約6200円)だった。一方、富裕層が多いとされる、ソウル市江南だと、食事代だけで8万5千ウォン(約9100円)だった。

 僕がショックを受けたのは最近の結婚式の招待状には、銀行の口座番号が書かれていることだ。結婚式に来れない人は、この口座に振り込んでくれということらしい。

 ただ、これでは何とも味気ないではないか。行けなければ、行く人にご祝儀を預けるのが情というものではないかと思うのだが、韓国人はこの点については、ドライなようだ。

 加えて、日本人から見て、味気ないのは、韓国では「ご祝儀」を普通の「白い封筒」に入れて渡すことだ。

 僕は、韓国の結婚式に招待されたら、出席しても、できなくても、日本のかなり立派な「ご祝儀袋」に入れて渡すことにしている。これは喜ばれる。先日も新婦だった友人の娘さんから「ご祝儀袋、きれいな鶴のデザインで、今でも部屋に飾っています」と言われた。

ひらい・ひさし 共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞、朝鮮問題報道でボーン・上田賞を受賞。著書に「ソウル打令 反日と嫌韓の谷間で」(徳間文庫)、「北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ」(岩波現代文庫)など。

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.16からの転載】

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