
今年は、宮﨑駿監督と共にスタジオジブリの世界的な名声を支え、2018年に82歳で亡くなった高畑勲監督の生誕90年。さらに、彼がその人生に大きな影響を受けた太平洋戦争の終戦から80年が経過する年である。そこで東京・虎ノ門の麻布台ヒルズギャラリー(麻布台ヒルズガーデンプラザA MB階)は、6月27日〜9月15日に「高畑勲展 −日本のアニメーションを作った男。」を開催する。
展示の詳細や開館時間などはまだ発表前だが、発表されたティザービジュアルの一つには、高畑監督の初期作品でありいまだに高い認知度を誇る「アルプスの少女ハイジ」があしらわれており、スタジオジブリで活動する以前の作品で培った技術や思想にも触れられそう。そして、もちろん本展はスタジオジブリの企画協力を得ており、彼の代表作であり太平洋戦争の悲劇を描いた映画『火垂るの墓』に着目した展示も予定されている。もう一つのティザービジュアルに描かれているのは、『火垂るの墓』の主人公である清太と節子の兄妹だ。
開催に当たり、スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫氏がコメントを寄せている。「雑誌に掲載された『火垂るの墓』を映画にしたいと夢想したのは18歳のとき。そして20年余、高畑監督による映画が完成。秘密のビデオを作って加藤周一さんに見て貰い、絶賛の言葉をいただいた時は、生涯で一番、幸せな日になりました」。キャリアの初期から全盛期の熟練まで、アニメ界の巨星の足跡をたどれる絶好の機会だ。